川は灰色なものだと思っていた。
無情に流れ去ってしまう川なんかに色なんてないと思っていた。
おととい見た広瀬川は、予想外に深くて青い色をしていた。
突き抜ける冬晴れの空だった。
そのまっさらでまっすぐで、濁りのない空の色を広瀬側は吸い込んでいた。
どうしようもない気持ちを、やり切れない悔しさにがんじがらめになって、自転車で橋を渡って、毎日、広瀬川を通り過ぎる。見下ろしているのに、広瀬川が、なぜか励ましてくれてる気持になる。
ガタガタした山並みが作る平行線。
真っ白でまっすぐな橋の支柱が作る垂直線。
私はそこを通り抜けて消える消失点だ。